Power BIで条件によってグラフを色付け・色分けする方法を紹介します。数値が目標値以上のときと目標値以下のときで色を変更したいときなどに便利です。
グラフの色分け方法(2色)
グラフの条件による色変更には「新しいメジャー」と「条件付き書式」を利用します。これらの機能に利用することで様々な条件を元にして色変更ができるようになります。
設定手順は以下の通りです。
- 新しいメジャーを用いて色分け用の判定フィールドを作成する
- ビジュアルの書式設定にある「条件付き書式」アイコンを選択して色条件を追加する
- 色分け判定フィールドを基準として色分け設定をする
設定手順&使用例
条件による色分け設定の例として、下図のように目標値を達成したか未達かでグラフの色を分ける手順を解説します。
棒グラフや折れ線グラフなど任意のグラフを準備します。条件による色分けの例として、今回は下図のグラフで目標値以上と以下でグラフの色を変更します。
上図のような基準線・目標線の追加方法についてはこちらで解説してますので参考にしてみてください。
- モデリングタブの「新しいメジャー」を選択して色分け判定用のフィールドを作成する。
- 入力欄に下記の判定式を入力する。売上データが目標値以上だと「1」、目標値以下だと「0」といった判定式になっています。
色判定 = IF(sum('売上データ'[売上])>= sum('売上データ'[目標値]), 1, 0)
IF構文は下記のような構成となっています。それぞれの状況において条件式と返り値を設定してください。
IF( 条件式 , 条件式が真のときの値 , 条件式が偽の場合の値 )
グラフの色を条件付き書式にて設定します。
- グラフを選択してビジュアルの書式設定の「条件付き書式」のアイコンを選択する。
- 条件設定画面で下記の色分け設定を行う
- データ形式スタイル:ルール
- 基準にするフィールド:色判定(作成した判定フィールド)
- ルール:色判定フィールドの値が 「0以上かつ0.5未満」の場合はオレンジ、「0.5以上かつ1以下」の場合は青
以上で条件による色分け設定は完了です。下図のように目標値以上と以下で色が変更されています。
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3色以上の色分け
グラフ色を3色以上で分けたい場合は「新しいメジャー」と「IF構文」で作成する判定フィールドを変更します。
変更箇所としてはIF構文を入れ子構造にして条件分岐を3つ以上にします。これにより割り当てられる値が3つ以上となり色分け数を増やすことができます。※SWITCH 関数を用いても設定可能です。
IF構文の入れ子は下記のように記載します。下記の式では結果が3種類に分岐しますが、条件式が偽の場合にIF文を入れ込めばさらに条件分岐していくことができます。
IF( 条件式1 , 条件式1が真のときの値 , IF( 条件式2, 条件式2が真のときの値, 条件式2が偽のときの値 ))
使用例
上述の例を元にして「IF文による判定フィールド」と「色分けの条件設定」を下記のように変更すれば3色にグラフ色を変更できます。
- IF文による判定フィールド
売上が目標値以上が2, 目標値の75%以上が1, 目標値以下が0となるようなフィールドとなっています。
色判定 = IF(sum('売上データ'[売上])>= sum('売上データ'[目標値]), 2,
IF(sum('売上データ'[売上])>= sum('売上データ'[目標値])*0.75,1,0))
- 色の条件設定
- 結果
下図のように条件に合わせてグラフを3色に色分けできています。
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まとめ
今回はPower BIで条件によってグラフを色付け・色分けする方法を紹介しました。基本的な作業ステップとしては以下の通りです。
- 「新しいメジャー」を用いて色分け用の判定フィールドを作成する
- 「条件付き書式」において判定フィールドを基準とした色分け設定をする
※3色以上の色分けにおいてはIF文を入れ子構造で利用するのがポイントです。
今回は使用例のグラフに基準線があるものを利用しましたが、基準線の追加方法についてはこちらで紹介していますので興味のある方は参考にしてみてください。
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